日本小児外科学会雑誌
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原著
当科における直腸肛門奇形に対するS状結腸完全離断型人工肛門造設術の実状
仲田 惣一中原 康雄後藤 隆文花木 祥二朗人見 浩介
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2019 年 55 巻 6 号 p. 1044-1048

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抄録

【目的】当科では,新生児期の中間位・高位の直腸肛門奇形に対して①肛門側腸管への便の混入を防ぎ,根治術時に使用する腸が拡張することを予防できる.②腸脱出を起こしにくい.③尿路感染のリスクを減らす可能性がある.という理由からS状結腸に完全離断型人工肛門を造設しており,その実状を報告する.

【方法】2009年4月から2016年6月までの期間に当科でS状結腸に完全離断型人工肛門を造設した男児の直腸肛門奇形症例を対象として,人工肛門に関連した合併症,根治術前の直腸径,根治術までの尿路感染の有無について診療録から後方視的に検討した.根治術前の直腸径は,術前造影検査の矢状断写真を用いて,直腸の最も太い部位の前後径で評価した.

【結果】対象症例は男児10例であり,直腸前立腺部尿道瘻が4例,直腸球部尿道瘻が6例であった.人工肛門に関連した合併症は,手術部位感染は0例,腸脱出0例,狭窄0例,人工肛門の高さがないもしくは粘液瘻からの排液のためパウチ貼付に工夫を要する症例が3例であった.根治術で人工肛門の制限により肛門側腸管のpull-throughが困難となった症例は認めなかった.また,人工肛門再造設術が必要な症例も認めなかった.1例で根治術までに尿路感染症を認めた.根治術前直腸径は,中央値1.75 cmであった.

【結論】S状結腸の完全離断型人工肛門は,パウチ貼付に工夫を有する症例を認めたが,合併症は少なかった.また,直腸が拡張してしまう症例は少なかった.

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