日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
症例報告
腹壁に穿通して膀胱前腔膿瘍を形成したメッケル憩室の1例
桑原 淳竜田 恭介松本 紘典杉下 博基菊池 聡秋田 聡吉田 素平古賀 繁宏石丸 啓渡部 祐司
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 55 巻 7 号 p. 1193-1197

詳細
抄録

メッケル憩室の多くは無症状であるが,さまざまな病態を引き起こすことがある.今回,我々はメッケル憩室が腹壁に穿通し膀胱前腔膿瘍を形成した稀な1例を経験したので報告する.症例は6歳,男児.4日前より下腹部痛を認め,腹痛の増強,発熱を認めるようになったため,前医を受診した.消化管穿孔が疑われたため当院に救急搬送され,同日緊急手術を行った.腹腔鏡で観察したところ,メッケル憩室と大網が腹壁に癒着し,腹壁に1 cm弱の孔を認め,同部位より膿の流出を認めた.メッケル憩室が腹壁に穿通して膀胱前腔膿瘍を形成したと診断し,メッケル憩室の切除及び膿瘍ドレナージを施行した.術後経過は良好であり,術後8日目に退院した.病理所見では,メッケル憩室先端に異所性胃粘膜を認め,潰瘍穿孔が原因であると考えられた.メッケル憩室穿通の術前診断は困難であるが,審査腹腔鏡から開始したことで術中診断が可能となり,良好な経過を得ることができたと考えられる.

著者関連情報
© 2019 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top