2019 年 55 巻 7 号 p. 1198-1201
症例は1歳,男児.胎児超音波で腹腔内に約12 mmの囊胞を指摘され,出生後の腹部超音波で肝臓下部,右腎近傍に隔壁を有する約20 mmの低エコー像を認め,腸間膜囊腫の疑いで経過観察されていた.生後7か月時に腹部超音波と腹部MRIでサイズの増大傾向を認め,当科紹介となった.1歳6か月時に腸間膜囊腫の疑いで臍内切開にて腹腔鏡で観察したところ,約4 cmの回盲部回腸重複症を認め,核出術を試みたが回盲弁に近く,狭窄を来すため単孔式腹腔鏡補助下回盲部切除術を行った.腫瘤は腸管と内腔に交通はなく,内容液は粘液性だった.病理検査では一部回腸の固有筋層から連続する筋層を有する囊胞状病変で,内腔はMUC5AC(+),MUC2(-)の円柱上皮で被われ,MUC6(+)の幽門腺様の固有胃腺を伴った囊胞型回腸重複症と診断した.術後は狭窄症状なく経過し,術後4日目に退院した.