症例は,染色体異常に伴う重症心身障害のため施設入所中の21歳,男性.当科にて嚥下障害に対して喉頭気管分離術を施行した.術後経過は概ね良好であったが,退院翌日に腹痛を訴え,血清Amy高値,腹部CTでの腸管拡張像を認めたため再入院となった.病歴,各種検査結果からSMA症候群に起因する急性膵炎と診断した.SMA症候群による急性膵炎を来すことは極めて稀であり外科的治療が必要な場合が多いが,厳重な体位管理によるドレナージが奏功し軽快退院となった.重症心身障害児は生後早期から発症がみられることが多く,移行期を過ぎて成人になっても小児外科が関わることが少なくない.重症心身障害を背景とする術後患者で,胆汁性嘔吐や腹痛を訴える場合にはSMA症候群やSMA症候群による急性膵炎も念頭において鑑別診断,治療を行うべきである.