2020 年 56 巻 1 号 p. 71-75
葉状腫瘍の発生頻度は全乳腺腫瘍の1%未満で,40歳代に好発し小児期での報告例は少ない.今回,我々の経験した小児の両側葉状腫瘍再発症例を文献的考察加え報告する.症例は14歳女児.家族歴なし.既往歴は5歳時に扁桃腺切除,8歳時に肝過誤腫切除歴がある.右乳房腫瘤を主訴に近医受診し当院紹介となった.超音波検査では右乳房上外側に径約4 cm,境界明瞭で分葉状の腫瘤を認め,多結節性かつ内部エコーは一部不均一で葉状腫瘍を否定できず切除方針となった.病理診断は良性葉状腫瘍で切除断端は陰性であった.術後1年4か月で両側乳房に多発腫瘤が出現し再摘出を行った.病理診断は初回手術時と同様の良性葉状腫瘍であった.その後多発腫瘤が出現したため,増大傾向の腫瘤を摘出する方針とし,現在まで計4回の摘出術を行っている.小児では乳腺温存が必要であるため腫瘤を切除せず慎重に経過観察し,径3 cm以上に増大したものを切除する方針とし慎重に経過観察している.