2020 年 56 巻 2 号 p. 210-213
症例は2歳男児.腹痛で発症し,前医での画像検査で虫垂腫大を認めたため,虫垂炎と診断され,当科紹介となった.腹腔鏡下に観察したところ,腫大した虫垂の先端が臍動脈索に付着し腫大していた.術中は虫垂炎の炎症が腹壁に波及したものと判断し,癒着を剥離後,虫垂を切除し手術終了とした.術後病理結果にて虫垂の炎症は外部から波及であることが判明.術中所見と併せて臍動脈索からの炎症波及が考えられた.臍動脈索が感染をきたすことは非常に稀であり,さらに臍動脈索感染が周囲に炎症波及し,二次性虫垂炎を引き起こしたと考察された論文はこれまで我々が検索し得た範囲では認められず,今回報告する.