日本小児外科学会雑誌
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原著
根治的摘除が困難なMYCN非増幅乳児神経芽腫の治療
池田 均畑中 政博五十嵐 昭宏藤野 順子長谷川 真理子菊地 健太岡崎 英人西 明大串 健二郎鈴木 信
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2020 年 56 巻 3 号 p. 262-272

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抄録

【目的】根治的摘除が困難なMYCN非増幅の乳児神経芽腫について,無症状例と有症状例を後方視的に検討し,乳児神経芽腫の治療方針について再考する.

【方法】対象は過去28年間に経験した連続する18例で,無症状の発見例が7例,有症状の診断例が11例である.検討項目は臨床的特徴,腫瘍の根治的摘除が困難な理由,腫瘍特性,リスク分類,および治療と治療結果である.

【結果】無症状例における腫瘍の摘除が困難な理由は局所進展,リンパ節転移,肝転移で,原発巣がIDRFまたはIDRF相当の要因で摘除困難であった症例は7例中3例(43%)であった.無治療経過観察の1例を除き標準的な治療プロトコールを用いて治療を行い,7例全例が腫瘍なしで生存している.有症状例は11例のうち7例がoncologic emergencyと判断された.腫瘍の摘除が困難な理由は局所進展,リンパ節転移,肝他の遠隔転移で,原発巣がIDRFまたはIDRF相当の要因により摘除困難と判断された症例は11例中9例(82%)であった.治療は手術,化学療法に加え,4例で放射線療法が併用された.8例が腫瘍なし生存,2例が腫瘍あり生存で,1例が腫瘍死である.無症状,有症状を含めた全例の全生存率は94.4%,無増悪生存率は83.0%であった.

【結論】腫瘍の根治的摘除が困難なMYCN非増幅の乳児神経芽腫において,無症状例では無治療経過観察,または生検後に化学療法のいずれかを選択できる可能性が示唆された.また有症状例では生検後に速やかに化学療法を開始し,oncologic emergencyの場合には放射線療法の併用も選択肢となり得ることが示唆された.

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