日本小児外科学会雑誌
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症例報告
胎児期に腹部腫瘤として発見された先天性処女膜閉鎖症の1例
伊藤 愛香里増本 幸二千葉 史子堀口 比奈子
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2021 年 57 巻 1 号 p. 61-65

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抄録

処女膜閉鎖症は先天性疾患であるが,思春期以前に症状を呈し診断されることは稀である.今回我々は,胎児超音波検査で腹部腫瘤を指摘され,出生後に腟留水腫を伴う処女膜閉鎖症と診断し手術を行った1例を経験したので報告する.症例は日齢4の女児.在胎39週に児の膀胱右側に囊胞性病変を指摘され,在胎40週で出生した.出生後の診察で処女膜閉鎖を認め,腹部超音波検査で囊胞性腫瘤は腟から臍付近まで連続しており,処女膜閉鎖症及び腟留水腫症疑いで日齢4に当院紹介となった.視診にて腟に膜様構造物を認め内部の白色内容液が透見され,処女膜閉鎖症と診断した.処女膜切開術を施行し,白色混濁内容液を95 ml排出した.術後,腟は縮小し外観も問題なく経過している.新生児期に症状を認める処女膜閉鎖症は稀であるが,母体ホルモンの影響で新生児腟に分泌物が貯留することがある.単純な処女膜切開で症状の改善が得られ,予後も良好である.

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