症例は5歳女児.4日間続く腹痛を主訴に来院し,CT検査で膵臓背側に最大径4.8 cmの炎症性後腹膜囊胞が指摘されたため抗菌薬投与を行い,軽快した.その後外来精査にて囊胞は厚い被膜を有したまま2.5 cmまで縮小傾向を示し,画像上悪性所見を認めず,胃や膵臓など周囲臓器由来ではない気管支原性囊胞などの孤発性良性腫瘤が疑われた.診断及び症状再燃予防目的に炎症軽快5か月後に腹腔鏡下後腹膜囊胞摘出術施行.術後合併症なく,病理診断は気管支原性囊胞で悪性所見は認めなかった.気管支原性囊胞に関しては成人例含め縦隔発生の報告が多く,後腹膜異所性気管支原性囊胞は稀とされる.気管支原性囊胞に関しては加齢とともに増大傾向を示すとされ,多くが良性である一方でわずかだが悪性化の報告もみられる.近年成人例では腹腔鏡下手術報告が散見されるが,小児例の報告は少ない.本症例は炎症後の癒着が強かったが腹腔鏡下全摘が可能であった.