日本小児外科学会雑誌
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症例報告
急性腹症としての鑑別が必要であった上腸間膜動脈症候群の1例
―本邦小児報告例の文献的考察―
後藤 悠大坂元 直哉増本 幸二宇田川 勝
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2021 年 57 巻 7 号 p. 1105-1111

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抄録

症例は14歳女児.臍周囲の痛みを主訴に救急外来を受診した.血液検査で異常所見はみられず超音波検査所見で虫垂炎は否定的であったが,食事を開始したところ腹痛が再度出現した.その後の病歴聴取によりダイエットによる体重減少が明らかとなった.造影CT検査や超音波検査では胃や十二指腸下行脚の拡張を認めaorto-mesenteric distanceは狭小化しており上腸間膜動脈症候群(以下,本症)と診断した.上部消化管造影検査ではやや前屈位で造影剤の小腸以遠への流入を認めたため,経腸栄養剤の経口摂取を開始した.徐々に経口摂取量を増量し入院12日後に退院した.本症は従来基礎疾患を有する患者に慢性の経過により生じると考えられていたが,本邦小児報告例56例のうち基礎疾患を有する症例は15例(26.8%)のみであった.腹痛のみが症状である症例は比較的稀であるが,急性腹症における鑑別疾患の1つとして本症も考慮すべきと考えられた.

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