2022 年 58 巻 5 号 p. 809-814
症例は生後6か月の男児.在胎19週の胎児超音波で左胸部腫瘤像と心臓の右側偏位を指摘され,当院周産期母性科に紹介された.在胎36週6日,2,940 gで出生し,呼吸障害はなく,生後5日で退院となった.生後4か月時に撮像した胸部造影CT検査では,左肺下葉に含気のない腫瘤性病変が認められた.体循環からの異常血管は描出されなかった.肺分画症の暫定診断で,6か月時に手術を施行した.病変は固有の臓側胸膜を有し,気管支の交通はなく,左肺動脈からの流入血管と,左上肺静脈へ還流する血管を有していた.術後診断は肺葉外肺分画症であった.肺動脈より血流供給される肺葉外肺分画症は比較的まれであり,体循環系から血流供給される肺葉外肺分画症とは好発部位と併存疾患の種類が異なる傾向があった.