日本小児外科学会雑誌
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原著
急性胃腸炎またはインフルエンザ感染症に続発した小児胃十二指腸潰瘍の検討
藤井 俊輔新開 真人篠原 彰太都築 行広河北 一誠臼井 秀仁望月 響子北河 徳彦
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2022 年 58 巻 6 号 p. 885-889

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抄録

胃十二指腸潰瘍の主な原因であるHelicobacter pyloriの感染はなく,急性胃腸炎やインフルエンザといった小児が一般的によく罹患する感染症に続発して胃十二指腸潰瘍を発症し,重篤な経過を辿った7症例をレビューした.症例は年齢中央値5歳(1~9歳)で,4例に基礎疾患を認めた.先行感染は3例がロタウイルスやノロウイルスを含む急性胃腸炎で,4例がインフルエンザA型であった.2例が十二指腸潰瘍穿孔の診断で腹腔鏡下手術が行われた.5例が胃十二指腸潰瘍出血の診断で,全例に輸血療法を要し,2例に内視鏡的止血術が行われた.胃十二指腸潰瘍は小児では稀であるが,発見が遅れると重篤な経過を辿る可能性があるため,急性胃腸炎やインフルエンザ感染症に続発して急性腹症や消化管出血症状がみられる場合は,胃十二指腸潰瘍を鑑別に挙げて精査を進めるべきである.

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