2023 年 59 巻 7 号 p. 1064-1069
症例は2歳11か月男児.1歳2か月時に右臀部の凹みに気づき前医を受診したが,無症状であり経過観察となった.2歳9か月時に同部から浸出液を認め,2歳11か月時に発赤・腫脹・疼痛が出現した.前医で用手的排膿と抗菌薬投与が行われ改善したが,短期間に感染を繰り返したため当院紹介となった.MRIで右臀部から直腸右側に向かう瘻管と周囲組織への炎症波及を認め,全身麻酔下に可及的に瘻管を切除した.術後2週間で膿瘍再発し,CTで深部膿瘍腔の残存を認めた.局所麻酔下にドレナージと抗菌薬投与を行い,感染が鎮静化した約1か月後に残存瘻管を摘出した.術後1年現在再発なく経過している.病理検査では重層扁平上皮に被覆された管腔構造で,先天性臀部瘻孔と判断したが,症状や病理組織学的に先天性皮膚洞の非正中例としても矛盾しないと考えた.いずれも感染すると再燃することがあり,感染の既往がなくても,手術を治療の選択肢として考慮すべきと考えられた.