2025 年 61 巻 4 号 p. 734-739
出生前診断し新生児期に腹腔鏡下根治術を行った先天性食道裂孔ヘルニア症例を経験した.症例は男児で,在胎37週に全胃挙上した先天性食道裂孔ヘルニアと出生前診断した.在胎37週6日に胎児心拍が低下し帝王切開にて出生した.上部消化管造影検査では短食道は認めず,全胃は短軸方向に捻転し胸部に挙上していた.経鼻空腸チューブを挿入し経腸栄養管理を行ったのち,日齢18に腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア根治術とHis角形成術を施行した.術後,喉頭軟化症に伴う哺乳障害に対し経鼻胃管による経腸栄養を行った.術後34日目に経口哺乳を開始し,術後76日目に退院となった.術後1年現在,哺乳・発育は良好で,嘔吐・再発は認めない.先天性食道裂孔ヘルニアの出生前報告は少ないが,周産期管理のもと新生児期に腹腔鏡下根治術を行うことで,嘔吐や呼吸障害など症状を呈する前に低侵襲下に根治しえた.