2026 年 62 巻 6 号 p. 1074-1078
総排泄腔外反症(cloacal exstrophy: CE)は極めて稀な先天異常であり,症例毎の解剖学的多様性から個別化した尿路再建が求められる.今回,bladder plate(BP)低形成を伴うCE患児に対し,拡張した後腸を用いた代用膀胱造設による尿路再建を行った1例を報告する.症例は在胎32週3日,出生体重1,391 gの女児で,新生児期に臍帯ヘルニアの修復と回腸人工肛門造設術を受け,開存不詳な後腸は温存されていた.3歳時に矮小な自己膀胱組織に代え,拡張した後腸を利用した代用膀胱を造設し,粘膜下トンネルによる逆流防止機構を付加した導尿路と尿管の植え替えを伴う尿路再建術を行った.術後は年齢相応に近い膀胱容量と禁制の保持が得られている.BP低形成例かつ,拡張した後腸の存在という限られた条件下では,後腸利用代用膀胱は尿路再建の有用な選択肢の一つになり得ると考えられた.