抄録
1996年以降の航空緑化工によって植生被覆が進行した斜面の施工実態を把握するため, 雲仙普賢岳火砕流堆積斜面に試験地を設定し, 1998年8月から約3年にわたり表面流出·土砂流出を観測した。航空緑化工によって試験地に導入された植物は順調に生育し, 特にヤマハギ(Lespedeza bicolor var. Japonica Nakai)は, 樹高成長とともに側枝の成長も進んでいることが明らかになった。試験地における植生は上層が木本, 下層が草本という多層構造を形成していた。約3年の観測期間では表面流出量や土砂流出量が減少傾向であった。これは, 試験地における植生が土砂流出や表面流の発生を抑制していることが一因であると推察された。