抄録
緑化施工後17年経過したオオバヤシャブシ (Alnus sieboldiana Matsum.) の優占する切土法面において,散布種子数および分布と植物の定着との関係を明らかにすることを目的に散布種子と定着植物との関係を調査した。その結果,周辺林の林冠構成種と法面の林冠構成種は異なっていたが,法面内に周辺林の常緑樹が侵入しており,遷移の進行が認められた。特に鳥散布型木本が定着植物の60%以上を占めていた。定着植物の常緑性・落葉性の違いで整理すると,周辺林および法面上部においては常緑樹が,法面下部においては落葉樹が,それぞれ相対優占度の60%以上を占めていた。定着個体数および散布種子数は共に種子供給源から離れるほど減少傾向を示した。