ビデオカメラを用いた千葉県におけるサシバ (Butastur indicus) の巣内搬入動物の把握事例

抄録

農村の生態系の頂点に位置するサシバは，生態系の健全性を指標する生物であり，本種の生態に関する知見の蓄積は意義がある。本研究は，千葉県香取市の農村地域を対象に，サシバの営巣中の餌資源をビデオカメラによって把握した。搬入された生物は主としてカエル類，昆虫類はバッタ類，幼虫などが確認された。また営巣の初期からの季節変化をみると，餌の構成は昆虫類の割合が増加する傾向にあった。既往に報告される他地域の状況とも比較することで，対象地の餌資源の特徴が把握できた。