抄録
長野県内の高標高風衝荒廃地において,酸性土壌対策工を併用した非面的吹付緑化工を実施した。その結果,施工 13年 2ヵ月後までに,生育基盤を帯状に吹付した緑化領域には導入したシラカンバ,ナナカマド,自然侵入したミヤマヤナギなどを主体とする落葉低木群落が形成され,緑化領域の植被率は 95 %,平均群落高は 30 cm,吹付していない自然侵入領域の植被率は 90 %,群落高は 20 cmとなり,両領域の景観的な違和感はほとんど解消された。厳しい環境条件下のため植物の成長は非常に緩慢であるが,非面的吹付緑化工区は隣接する緑化工を実施していない無施工区と比較して,植生回復が明らかに促進されていることが確かめられた。