抄録
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は 2016年,一部の霊場と参詣道が世界遺産に追加登録された。しかし,参詣道の周辺では,人工林の管理放棄が問題となっている。そこで,人工林の管理放棄が参詣道に与える影響を明らかにする目的で,高野山参詣道沿いの植生と参詣道の状態を調べた。参詣道沿いの植生はスギ・ヒノキ人工林が 58%を占め,参詣道の破損は主に管理放棄された人工林内で確認された。破損の状態は,斜面上部から土砂が流れ,道と斜面の区別がつかない区間や参詣道が下草で覆われる場合もあり,人工林の管理放棄は参詣道の破損の要因になると考えられた。