2018 年 44 巻 1 号 p. 182-185
生物多様性の保全および生態系サービスの活用に資する多角的な研究が求められている。本研究は,減少傾向とされる海浜植物ハマボウフウを対象種として,保全管理技術の向上を目的とした越冬期における実生苗の育成方法を検討するため,各種生育基盤における生育状況,および資源利用されてきた背景を持つ本種の抗酸化能も併せて検討した。その結果実生苗の生育確保においては自生地砂と園芸用土の混合土が良好であり,抗酸化能(アスコルビン酸の相当量)は根よりも葉茎に高いことが示された。