2019 年 45 巻 1 号 p. 248-251
釧路湿原では,戦後,流域での経済活動の拡大に伴い,ハンノキ林の拡大等,湿原植生の急激な変化が問題となっており,自然再生事業によって,種々の対策がなされてきた。一方,各種対策後のハンノキ動態に関する報告はほとんどない。そこで細岡地区に永久コドラートを設置し,ハンノキの毎木調査を2006 年以降,5 年毎に計3 回実施した。その結果,1.5 m 未満の稚樹は2011 年に一時的に増加したが,2016 年には減少に転じていることが把握され,水位上昇による可能性が示唆された。また,ハンノキの亜高木・高木が生育するコドラートでは,稚樹がほとんどないことから長期的には衰退する可能性も示唆された。