近年のマツ材線虫病による松枯れ等により,海岸林の構成樹種に広葉樹が選択される場合がある。本研究では,主に広葉樹により構成される海岸林が長期的且つ安定して維持されるかを検討するため,沿海域に成立する広葉樹林を対象に,実生と成木の空間分布の比較を行った。結果,沿海域に成立する広葉樹林は天然更新により長期的に維持される可能性が示唆された。ヒメユズリハ,マサキ,ホルトノキ,バリバリノキは更新によって今後も現在の成木と近い林分を維持する可能性が考えられる。一方でグミ類,ヤブニッケイ,タブノキは実生と成木の空間分布に差異がみられ,今後は空間内での分布範囲や優占度に変化が生じる可能性が考えられる。