2019 年 45 巻 1 号 p. 86-90
ブナハバチの食害を模した摘葉が,ブナ当年枝木部の水分通道能力および細根量に与える影響を明らかにした。展葉完了まもなくのブナ苗木に強度の異なる摘葉処理を行い,当年枝木部の水分通道を表すパラメータと細根量を測定した。摘葉強度の上昇とともに平均道管内径は小さく,道管密度は高くなった。また,比水分通道度(Ks)は摘葉強度の上昇とともに低下し,細根量は摘葉により減少した。以上の結果から,展葉完了まもなくの摘葉は,当年枝木部の水分通道能力を低下させるとともに,土壌からの水分吸収を担う細根量を減少させることが明らかとなった。