日本緑化工学会誌
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冬季塩分環境下におけるコウライシバ(Zoysia matrella Merr.)葉身部のイオン濃度
杉浦 総一郎 高橋 新平
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2020 年 46 巻 2 号 p. 232-236

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抄録

冬季塩分環境下におけるコウライシバ(Zoysia matrella (L.) Merr.)の健全葉および枯死葉のイオン濃度特性を明らかにするため,冬季165日間にわたり本種に4段階のNaCl溶液[0 g/L (Control),7.5 g/L,15 g/L,30 g/L]を施用した。その結果,30 g/L区では,全ての葉身部の枯死が確認された(枯死率100%)。葉身部のNa濃度は健全葉より枯死葉で高く,7.5 g/L区で1.4倍,15 g/L区で2.0倍高い値であった。Cl濃度も同様に枯死葉で高い値を示し,7.5 g/L区で1.4倍,15 g/L区で2.0倍,健全葉より高い値を示した。一方,K濃度は健全葉で高く,Control区で2.3倍,7.5 g/L区で1.8倍,15 g/L区で1.8倍,枯死葉より高い値を示し,Na,Cl濃度と逆の傾向を示した。さらに,K/Na比は,枯死葉より健全葉で高く,7.5 g/L区,15 g/L区においてそれぞれ2.4倍,3.5倍高い値を示した。枯死葉と健全葉のイオン濃度とK/Na比に明らかな違いが見られたことから,コウライシバは枯死に至る前の老化した葉に多くのNa,Clを蓄積させることで,冬季における塩ストレスに対応していると考えられた。

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© 2020 日本緑化工学会
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