近年,森林への侵入竹が増加し,主伐,再造林時の保育管理に与える影響が懸念されている。本試験は,モウソウチクが侵入したスギ林を皆伐し,その後4年間にわたり月1回の継続した刈払いを行った際に再生稈がどのように衰退するかを調査した。また,5年後の再生稈発生状況について,再造林における通常刈払いを行った場合と比較した。その結果,4年間の継続刈払いでは,新竹発生時期に太い稈が多数再生し月を追うごとに稈が細く発生本数も減少する,というサイクルを繰り返し,4年目に発生本数はごく少数となることが示された。また,発生する稈の種類は,大型稈,小型稈,ササ状稈の順に移行していくことが示唆された。造林保育における通常刈払いによる再生稈駆逐効果は継続刈払いより低く,より長い年月がかかることが明らかとなった。さらに,再造林時の作業道開設による地下茎の分断は再生稈抑制効果が高いことが示唆され,母竹林と再造林地を分断するように路網を開設することが望ましいと考えられた。