公園緑地や植物園では緑化樹や観賞用樹木として,その地域に自生しない国産樹種や外国産樹種が植栽されてきた。本研究では,これら非在来樹種の実生が周辺の植生,地域環境に及ぼす影響を調べるために,神戸市立森林植物園をフィールドに非在来樹種の実生の発生状況を把握し,その母樹の位置を確認した。その結果,非在来樹種の実生19種,139本を確認した。散布様式別では,動物散布の樹種は9種102本,風散布の樹種は9種41本を確認した。木本の開花・結実は,実生で発生した後数年かかることから,非在来樹種の園外への逸出・拡散を防ぐには,結実する成木にならないよう,数年に1度の周期で刈取るなど適切な管理が必要である。