日本緑化工学会誌
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論文
公園緑地における非在来樹種の実生発生及び管理作業との関係神戸市立森林植物園の例
小林 徹哉 前中 久行大野 朋子
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2023 年 49 巻 1 号 p. 75-80

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抄録

公園緑地や植物園では緑化樹や観賞用樹木として,その地域に自生しない国産樹種や外国産樹種が植栽されてきた。本研究では,これら非在来樹種の実生が周辺の植生,地域環境に及ぼす影響を調べるために,神戸市立森林植物園をフィールドに非在来樹種の実生の発生状況を把握し,その母樹の位置を確認した。その結果,非在来樹種の実生19種,139本を確認した。散布様式別では,動物散布の樹種は9種102本,風散布の樹種は9種41本を確認した。木本の開花・結実は,実生で発生した後数年かかることから,非在来樹種の園外への逸出・拡散を防ぐには,結実する成木にならないよう,数年に1度の周期で刈取るなど適切な管理が必要である。

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© 2023 日本緑化工学会
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