日本手外科学会雑誌
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自由投稿論文
前腕回旋角度測定の現状と課題
金内 ゆみ子村瀬 剛西脇 正夫阿久津 祐子志村 治彦飯塚 照史茶木 正樹小田桐 正博
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2024 年 41 巻 2 号 p. 10-15

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抄録

前腕回旋角度測定は,報告により異なった方法が使用され,確立された手技がない.そこで本邦における前腕回旋角度測定の実態調査を目的に,2023 年に日本手外科学会会員を対象にWeb アンケート調査を実施した.962 名より回答があり(回答率26.7%),結果は上腕骨の基本軸に対して移動軸の高位は「手関節」が51.5%と最多であるが,「手関節より遠位」は22.1%,「棒を握り棒に合わせる」は14.0%,「手関節より近位」は11.3%とばらつきを認めた.測定機器については82.1%が角度計を使用したが15.4%は目視であり,測定値の取り方は73.4%が5°間隔であった.移動軸については手関節高位が測定方法を統一しやすいという見解があるが,日常生活動作を反映しやすい手掌面での角度も重要と考えられる.本アンケートの結果をもとに,信頼性があり実用的な前腕回旋角度測定方法を基準化することが今後の課題である.

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