日本手外科学会雑誌
Online ISSN : 2188-1820
Print ISSN : 2185-4092
学術集会発表論文
橈骨遠位端骨折患者における手関節CT-Hounsfield unit 値を用いた骨密度評価
江城 久子瀧川 直秀大野 克記
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 41 巻 2 号 p. 105-108

詳細
抄録

橈骨,尺骨,有頭骨CT-Hounsfield unit 値(以下HU 値)は,二重エネルギーX 線吸収法(DXA)の結果と関連があることが報告されているが,どの部位の計測がよりDXA 結果と関連があるかについての報告はない.手関節部のHU 値により骨粗鬆症診断が可能か検討し,さらに橈骨,尺骨,有頭骨のうち,どの部位のHU 値計測が骨粗鬆症診断に有用かを検討した.全例女性で,手関節部CT を施行した橈骨遠位端骨折患者群(以下,骨折群)105 例,橈骨遠位端骨折の既往がない対照群(以下,対照群)46 例に対して,橈骨,尺骨,有頭骨HU 値を計測し2 群間で比較した.骨折群はHU 値と腰椎,大腿骨骨密度(YAM 値)を比較した.尺骨,有頭骨HU 値は骨折群で有意に低下し,骨折群の有頭骨HU 値は大腿骨YAM 値と相関を示した.橈骨,尺骨のHU 値は,骨折部の転位により厳密なHU値の計測が困難である.有頭骨HU 値の計測は,骨粗鬆症診断において有用である可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2024 一般社団法人日本手外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top