2024 年 41 巻 2 号 p. 65-68
ビタミンD 充足率は上肢骨折患者でも低いことを報告しているが,骨粗鬆症性骨折の初発部位として多い橈骨遠位端骨折と椎体骨折患者の血清25(OH)D 値を測定し,季節性に違いがあるかを比較した.橈骨遠位端骨折は降雪期に多く,椎体骨折は非降雪期に多かったが,椎体骨折では非降雪期と降雪期で25(OH)D 値に有意差があった一方,橈骨遠位端骨折では季節性に有意差はなかったため,ビタミンD 非充足が,骨粗鬆症性骨折の初発部位が橈骨に多いことを説明するリスク因子の一つであるとは言えなかった.