日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
橈骨遠位端骨折に対する多軸型ロッキングプレートDual Loc Radii VF システムの治療成績
黒田 拓馬森谷 浩治幸田 久男坪川 直人
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2024 年 41 巻 2 号 p. 79-83

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抄録

新しい多軸型掌側ロッキングプレートDual Loc Radii VF システム(メイラ)を用いた橈骨遠位端骨折の治療成績を調査した.対象は28 例,手術時平均年齢は68.8 歳,平均経過観察期間は7.3 か月であった.X 線パラメータの平均矯正損失値は,尺側傾斜0.32°,掌側傾斜-0.04°,尺骨バリアンス0.32mm とわずかであった.術後CT 矢状面における月状骨窩関節面と月状骨窩に挿入されたスクリューの最短距離は,平均0.8mm であった.術後合併症は,VF を使用した2 例に手根管症候群を認めたが,正中神経剥離術により,いずれも症状は軽快した.また,スクリューの関節内への逸脱を4 例に認めた.最終診察時の2010 年森谷・斎藤評価法では優22 例,良6 例であった.本システムは橈骨遠位端骨折治療の新たな選択肢のひとつになり得ると考えるが,スクリューの関節内への逸脱には注意が必要である.

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