2025 年 41 巻 4 号 p. 321-325
キーンベック病術後の8 症例に対し,Gadolinium 造影dynamic MRI を行い,月状骨髄内の血流動態を調査した.造影効果を表すtime-SIR curve を3 つのタイプ(type A:血管床増加型,type B:鬱血型,type C:虚血型)に分類し,臨床成績との関連,T1(proton)強調像における骨再生(Ogawa's grade)との関連を評価した.3 例がtype A,2 例がtype AとB またはC の混在,3 例がtype C であった.Mayo wrist score でgood 以上の4 例はtype A であり,fair 以下の4 例はType C であった.Time-SIR curve は虚血型よりも血管床増加型の方が,臨床成績が良好であることが示唆された.一方で,time-SIR curve における血流量と骨再生,つまり脂肪髄の回復は必ずしも一致しない結果であった.