日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
舟状骨偽関節による長母指屈筋腱皮下断裂の治療経験―3 例報告―
小林 一貴亀田 拓哉伏見 友希佐藤 俊介佐々木 信幸松本 嘉寛
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2025 年 42 巻 3 号 p. 235-243

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抄録

舟状骨偽関節により長母指屈筋(flexor pollicis longus:FPL)腱断裂を生じることが報告されているが,その頻度についての報告はない.本研究では,舟状骨偽関節におけるFPL 腱断裂の頻度および腱移行術による治療成績について検討した.2002 年1 月~2024 年10 月に当科で診察した舟状骨偽関節症例60 例61 手において,FPL 腱断裂は3 例3 手(4.9%)に認められた.手術時年齢は平均69.6 歳であり,腱再建として腱移行術を2 例,母指指節間関節固定術を1 例で施行した.舟状骨偽関節に対し,偽関節手術を1 例,遠位骨片切除を1 例で実施し,関節固定術の1 例では未治療とした.術後観察期間は平均11 か月であり,腱移行術を実施した2 例で再断裂を認めず,最終観察時の母指全関節自動可動域(total active motion:TAM)は%TAM が平均85.0%であった.舟状骨偽関節によるFPL 腱断裂は稀ではあるが,その原因として考慮する必要があり,腱再建においては腱移行術が有用であった.

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