日本手外科学会雑誌
Online ISSN : 2188-1820
Print ISSN : 2185-4092
学術集会発表論文
母指CM 関節症に対するリング付き固定ピンを用いたtension band wiring 法による関節固定術の成績
大野 義幸山本 恭介
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 42 巻 3 号 p. 360-364

詳細
抄録

母指CM 関節固定術において外反母趾用に開発されたリングピン®(帝人ナカシマ)を用いたtension band wiring(以下TBW)(R 群)7 手と従来のTBW(T 群)7 手とを比較検討した.両群とも背側アプローチで,骨接合面の処理はCup and cone 方式で行い,大菱形骨から第1 中手骨に向けてbi-cortical にリングピン,またはKirschner-wire を刺入し,0.7mm 軟鋼線で締結してTBW 固定した.術後合併症では浅橈骨神経障害がR 群の1 手(抜釘後に発生)にあった.R 群で1 手,T 群で2 手の計3 手が偽関節となった.T 群1 手の偽関節で再手術(腸骨移植併用)を要したが,他の2 手は疼痛少なく経過観察中である.最終的に両群全手で疼痛改善した.骨癒合率,平均骨癒合期間はR 群で86%,2.5 か月,T 群で71%,2.8 か月であった.最終調査時のNumerical rating scale,ピンチ力,握力,DASH score で両群間に有意差はなかった.Back out はR 群ではなく,T 群では高頻度に生じ,抜釘率はR 群で43%,T 群で100%であった.リングピンを用いたTBW は推奨できる.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人日本手外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top