日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
両側母指CM 関節症Eaton 分類Stage 4 に対して施行したdenervation 手術の1 例
野本 尭松浦 佑介山崎 貴弘鍋島 欣志郎
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2026 年 42 巻 4 号 p. 434-438

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抄録

両側母指CM 関節症Eaton 分類Stage 4 に対し,denervation 手術を施行した1 例を報告する.症例は70 歳男性で,格闘技の指導をしており,関節を温存するdenervation 手術を選択した.左手から施行し,橈骨神経浅枝関節枝,外側前腕皮神経,前骨間神経,後骨間神経を切離し,術後は外固定せず疼痛に応じて使用を許可した.疼痛は軽減したが,母指CM 関節掌側の動作時痛が残存していた.正中神経に対して診断的神経ブロックをすることで疼痛消失を確認し,正中神経由来と考えられる支配神経を追加で切離した.右手でも橈骨神経浅枝関節枝,外側前腕皮神経,前骨間神経,後骨間神経,正中神経由来と考えられる支配神経を切離し,初回手術12 か月後の最終経過観察時にnumerical rating scale(NRS)は術前両側8 点から両側1 点,QuickDASH は術前43.2 点から0 点に改善を認めた.経過中に変形性関節症の進行は生じなかった.長期成績は不明であるが,denervation 手術はEaton 分類Stage 4 に対しても良好な成績をもたらす可能性がある.

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