日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
当院における小児ばね指の臨床成績
銭谷 俊毅花香 恵高島 健一齋藤 憲寺本 篤史射場 浩介
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2026 年 42 巻 4 号 p. 473-476

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抄録

小児ばね指の治療方針として,経過観察のみ,装具療法,マッサージ,手術などがあるが,その有用性については一定の見解がない.当院では,明らかな機能障害がなく,保護者の希望がない場合には,就学前(5〜6 歳)までは経過観察のみとする方針としている.本研究では,2010 年〜2022 年に小児ばね指と診断し,2 年間の経過観察で改善を認めなかった25 例30 指を対象とし,その後の自然経過について後方視的に検討した.観察のみで自然治癒を認めたのは16 指(53%)で,治癒時の平均年齢は6 歳9 か月であった.手術に移行した症例は9 指(30%)であり,手術時年齢は平均6 歳3 か月であった.全例で健側と同じ可動域を獲得し,術後成績は良好であった.5 指(17%)で軽度の伸展制限の残存を認めたが,保護者が経過観察の継続を希望した.X 線所見で異常を認めた症例はなかった.以上より,小児ばね指に対して就学前まで経過観察を行うことは,選択可能な治療方針の一つと考えられた.

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