2026 年 42 巻 4 号 p. 442-444
Sauvé-Kapandji(以下S-K)法において,尺骨近位断端部の不安定性を予防するため制動術を加えることがあるが,骨切りをより遠位に設定することで制動術を省略できる可能性が報告されている.本研究では,制動術を行わずに遠位骨切りを施行したS-K 法の術後成績を後方視的に検討した.2015 年4 月~2023 年3 月に当科で施行された遠位橈尺関節症に伴う伸筋腱断裂10 例(10 手)を対象とした.術後の合併症,断端部の疼痛,X 線評価およびDASH スコアを指標とした.断端部での疼痛や伸筋腱断裂は認めず,全例でDASH スコアは有意に改善した.また,骨切りラインと術後1 年のDASH スコアとの間に有意な相関はなかった.遠位骨切りにより,制動術を省略しても良好な成績が得られる可能性が示唆された.