日本統計学会誌
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特集:経済分析と構造変化
周波数領域における時系列間の因果性の変化の検証
木下 亮大屋 幸輔
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2014 年 44 巻 1 号 p. 19-40

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抄録
時系列間の因果性の検証にはGrangerによる因果性検定など代表的な方法があるが,本稿では構造変化が因果性の大きさに,どのような変化をもたらしたかを検証する方法を提案する.Hosoya (1991)において定義された周波数領域上での因果性測度を利用し,構造変化の時点を既知とした上で,因果性の変化の程度を測り,有意な変化が生じているかどうかを検証するためのWald検定統計量を提案した.この検定統計量では各周波数における因果性の変化を検出することが可能であり,誤差修正モデルにおいても応用が可能である.検定統計量の有限標本における特性をモンテカルロ実験によって確認し,応用例として日米の株価指数を用いた実証分析を行った.
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© 2014 日本統計学会
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