日本統計学会誌
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日本統計学会研究業績賞受賞者特別寄稿論文
カルマン・フィルターによるRealized Stochastic Volatilityモデルの疑似最尤推定について
浅井 学
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2019 年 48 巻 2 号 p. 215-238

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抄録

Realized Stochastic Volatility (RSV)モデルは,金融資産のボラティリティ・モデルの推定において,収益率と実現ボラティリティの両方の情報を使うため,SVモデルに比べて効率的な推定を行うことができる.RSVモデルの推定には,ベイジアン・マルコフ連鎖モンテカルロ法やモンテカルロ尤度によるシミュレーション最尤法を用いる方法が主流であるが,本研究ではカルマン・フィルターによる疑似最尤法について検討する.特に,単純なRSVモデルについて,効率性の比較を試みる.またボラティリティのモデル化において重要な性質である,非対称性・長期記憶・裾の厚い分布という3点について,RSVモデルの拡張を紹介し,カルマン・フィルターによる推定方法を説明する.最後に,アメリカ・イギリス・日本の株価指数のデータについて,さまざまなRSVモデルを用いて実証分析を行った結果を報告する.

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© 2019 日本統計学会
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