抄録
2002年4月-2004年9月の間に東京都内の一動物病院に来院した症例犬543例について疾病別に集計した。その結果, 皮膚疾患が最も多く (223例, 41.1%), そのうちアレルギー性皮膚疾患が最も多かった (109例, 20.1%)。アレルギー性皮膚疾患の中では, アトピー性ないし食物アレルギー性皮膚炎は54.1% (109例中59例) であった。アレルギー性皮膚疾患の発生状況を犬種別にみた場合, アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの好発犬種とされる品種において, 今回の調査でも同様に発生例の多いことが確認された。このように今回の調査でも, 犬のアトピー性ないし食物アレルギー性皮膚炎の発生状況は, 一動物病院におけるものであるが, 欧米における同様の調査と比較して, 大差異ないものと思われた。