獣医臨床皮膚科
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症例報告
Bowenoid in situ carcinomaおよび有棘細胞癌の残存病変にMohsペーストを塗布し長期観察した猫の1例
田中 史彦小山田 敏文永田 雅彦
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2022 年 28 巻 2 号 p. 77-80

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抄録

17歳齢,去勢雄の短毛雑種猫が,10年に渡る頸部の掻破と黒褐色の痂皮を伴う局面とともに,約2年前より発症拡大する結節で当院を受診した。Bowenoid in situ carcinoma(BISC)を疑い結節を切除,皮膚病理組織検査にて表皮内に異型性を有した角化細胞の増殖と一部に異型角化細胞の真皮内浸潤像を認めた。残存する局面に対してMohsペーストを3回塗布し,寛解に至った。第896病日に死亡,剖検を実施した。BISCに関連した肺転移病変は観察されず,肺の腺扁平上皮癌が死因と考えられた。

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© 2022 日本獣医皮膚科学会
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