日本野生動物医学会誌
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研究短報
ホンシュウジカCervus nippon centralisおよびニホンイノシシSus scrofa leucomystaxにおける住肉胞子虫の高寄生率とそれらの筋肉より分離された Sarcocystis spp. とHepatozoon sp. の遺伝子解析
松尾 加代子上津 ひろな高島 康弘阿部 仁一郎
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キーワード: Hepatozoon, Sarcocystis, 狩猟獣
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2016 年 21 巻 2 号 p. 35-40

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抄録

岐阜県内で捕獲されたホンシュウジカ63頭およびニホンイノシシ30頭の筋肉について住肉胞子虫の調査を行ったところ,シスト保有率はそれぞれ95.2%および50.0%であった。ホンシュウジカおよびニホンイノシシから得られた住肉胞子虫のブラディゾイトは,いずれも馬肉の生食による住肉胞子虫性食中毒の原因とされる毒性タンパク質に対する免疫染色で陽性を示した。ニホンイノシシの筋肉からはHepatozoon sp.も検出された。分離株の18S rDNAの系統樹解析により,ホンシュウジカ由来住肉胞子虫株は遺伝的に多様で主に5つのグループに分類され,ニホンイノシシ由来のHepatozoon sp.はタイの野生イノシシ寄生マダニ由来のHepatozoon sp.と最も近縁であった。

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© 2016 日本野生動物医学会
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