日本野生動物医学会誌
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原著
DNAフィンガープリント法による飼育下ニホンツキノワグマの父子判定
山本 かおり河村 篤紀坪田 敏男釣賀 一二三小松 武志村瀬 哲磨喜多 功工藤 忠明
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2002 年 7 巻 2 号 p. 103-108

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抄録

本研究では,飼育条件下のニホンツキノワグマにおいてDNAフィンガープリント法による父子判定の有用性を検討した。制限酵素Hinf Iおよび(GATA)4プローブを用いたDNAフィンガープリントはニホンツキノワグマの個体識別および父子判定に有用であることが示された。1995年から1997年の間に11頭の母グマから生まれた13頭の子グマと22頭の父親候補の雄グマについて父子判定を行った結果,7頭の雄グマが父親と判定された。特に2頭の雄グマが8頭の子グマの父親と判定された。本研究では,飼育条件下において雌グマが多くの雄グマとの交尾の機会をもっても,ある特定の雄の繁殖成功が高くなることが示された。

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© 2002 日本野生動物医学会
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