日本野生動物医学会誌
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原著
飼育下ブラジルバクの血漿中プロジェステロン動態に基づく発情周期とその季節性について
楠田 哲士森角 興起小泉 純一内田 多衣子園田 豊甲斐 藏村田 浩一
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2002 年 7 巻 2 号 p. 109-115

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抄録

飼育下ブラジルバク(Tapirus terrestris)雌2頭から週1回の採血を行い,エンザイムイムノアッセイ(EIA)法により血漿中プロジェステロン(P4)濃度を測定した。P4濃度の周期性から発情周期は約4週間であることが推察された。また,国内の動物園におけるこれまでのブラジルバク出産例を調査した結果,出産は年間を通して見られたが,3月から6月にかけてピークが存在した。P4動態からは明確な繁殖季節は存在せず,周年繁殖が可能であると考えられたが,年間の出産数に偏りが見られることを考え合わせると,気候的要因によって繁殖が影響を受けていることが示唆された。

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© 2002 日本野生動物医学会
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