情報サービスを使いやすく効果的なものにするためには,まずユーザの必要性を理解することが大切である。それは単にニーズを調べることではない。そうしたやり方をするためには、従来のマーケットリサーチではなく,ユーザビリティアプローチを取る必要がある。ユーザビリティは、工学的な機能追求のやり方と対比的であり,あくまでもユーザの立場や視点に立って人工物のあり方を考えるものである。そのやり方を規格化したIS013407は,人間中心設計というスタンスからのプロセス展開を提唱している。またユーザビリティでは,ユニバーサルなユーザを考慮する必要があり、ユニバーサルデザインとの接点が重要になる。ユーザビリティアプローチを推進する上でもっとも重要なのは,ユーザのいる現場でフィールドワーク的手法をもちいて,その必要性を理解することである。こうしたことから,情報サービスシステムにおいては単にシステムのビジュアルデザイン上の工夫をするだけでなく,そのコンテンツのユーザビリティを追求することが重要である。