2010 年 60 巻 2 号 p. 68-74
コンピュータゲームは一大産業化し,現代文化の要素になっているため,保存して後世に残す必要があると考えられる。保存に対する課題には,メディアの短命さや技術の陳腐化がある。対策にはマイグレーション,エミュレーション等があり,特にエミュレーションに期待が集まる。だが,完成された技術ではまだなく,著作権や特許権を侵害する可能性もある。複数のコンピュータゲームアーカイブがすでに設立され,運用を開始している。それらは,世界のすべてのコンピュータゲームを収集するには至っていない。今後の施策として,ゲーム会社とコンピュータゲームアーカイブの連携協力や,図書館界の一層のコミットメントを提言する。