2017 年 67 巻 1 号 p. 14-18
慶應義塾大学メディアセンターでは2016年2月にディスカバリーサービスである,Primo Centralを導入した。本稿では,ディスカバリーサービス導入までの過程と運用開始後の電子書籍検索への活用事例について述べる。本学の資料検索システムであるKOSMOSにて大規模電子書籍コレクションの収録タイトルを検索できるようにすることを目的にディスカバリーの導入を進めてきた。サービス開始後はディスカバリーを用いた資料検索により,DDA(Demand-Driven Acquisitions)による資料購入や試読のアクセス状況に基づいた選書などの新しい業務の流れも生まれている状況である。今後,業務面では新たな資料購入フローに伴う購入決定判断の変化,システム面ではディスカバリーに搭載されるメタデータの質や新刊タイトル搭載の即時性やソート順などが課題となる。