2017 年 67 巻 10 号 p. 533-538
ICT技術の発達に伴い,教育現場にもかなりのスピードでICTを活用した教育が進行している中で,「情報リテラシー」は,ともすればコンピュータやインターネット活用に重点を置かれがちである。しかし当然のことながら,我々が受け取る「情報」は,インターネットからの情報だけではない。この予測不可能な高度情報化社会において学校図書館が担うべき使命は,紙の情報も含めたあらゆる情報に適切にアクセスし,それらの中身を自ら取捨選択し,活用することができる「情報リテラシー」を身につけた人材の育成である。本稿では,中学および高等学校における情報リテラシー教育の実践の一例を,思考のプロセスに重点を置きながら紹介する。