2020 年 70 巻 11 号 p. 540-545
本稿は,従来のウォーターフォール型ソフトウェア開発における契約の在り方と,これに対する平成29年改正後の民法(一部の規定を除き本年4月1日から施行)の影響,そしてそれを踏まえて,昨今注目されている非ウォーターフォール型の典型であるアジャイル型ソフトウェア開発における契約の在り方について報告するものである。2020年は,新型コロナ禍で変容する社会,その中で企業が持続的に存在価値を実現するためには,環境変化に強いこと,すなわち環境に応じて「変革し続ける」ことが求められ,DX(デジタルトランスフォーメーション)が競争力の源泉たる経営課題として求められている。そこでは,ソフトウェア開発手法のみならず,その契約のあり方も変革が求められている。