2021 年 71 巻 2 号 p. 54-59
どのような生物が,いつ,どこに存在したかを記述したオカレンスデータは,生物多様性情報の基盤である。オカレンスデータは,集積し,時間軸や空間軸に沿って解析されることによって大きな意味をもつ。オカレンスデータは,ダーウィンコアによって標準化されている。GBIF(地球規模生物多様性情報機構)は,世界スケールで標準化された生物多様性情報を集積・提供しており,その活動には日本も大きく貢献している。集積されたデータによって,気候変動,健康や経済に関する予想,保全生態学的知見などが得られる。データの追跡はDOIの利用によって可能となり,DOIは種概念の整理にも役立っている。